途中子育てのため数年間の休業期間を挟んだものの、これまで10年以上、正看護師として、急性期の病院で病棟勤務をされてきた方です。
昨年まで、自宅から1時間弱の場所にある総合病院で勤務をされていましたが、同居しているお母様が身体を悪くされ、介護が必要に。
仕事と介護の両立に悩んだ末、その病院を退職。
しばらくはお母様の介護に専念されていたそうですが、今年になってからは少し状況も落ち着き、仕事を再開しようと、「看護プロ」にご相談をいただきました。
高橋さんの希望としては、まず第一に、昨年に比べれば落ち着いたとはいえ、お母様の介護が必要な状況に変わりはなく、なるべく自宅で過ごす時間を多くとれるような働き方をしたいとのことでした。
ただ、これまでずっと急性期の病棟で仕事をしてきたので、できればこの仕事を継続したい。
また、今年から私立の小学校に入学されたお子様の学費など、経済的な心配もあるため、ある程度給与にもこだわった働き方をしたいとのことでした。
高橋さんの希望を要約すると、
「自宅で過ごす時間を多く確保できて給与が高い仕事」ということになりますが、それでは一体どのような選択肢があるのでしょうか。
高橋さんご自身が当初考えていたのは、日勤常勤という選択肢だったようです。
確かに、日勤常勤の場合、夜勤がない分、家に帰る時間は夕方になりますから、労働時間が短くなるわけではないですが、夜は毎日自宅で過ごすことができます。
ただ、日勤常勤の場合は、給与から丸々夜勤手当がなくなるので、その点は相当の覚悟が必要です。
高橋さんに限ったことではないのですが、それまでずっと夜勤をされていた方の場合、日勤常勤の給与を高めに見積もってしまう方が意外と少なくありません。
高橋さんに関しても、「月給が2?3万下がるのは仕方ないと思っている」というお話をされていましたが、実際には夜勤手当が丸々給与からなくなるわけですから、月額5万円程度、夜勤に多く入っていれば、12万円近い給与ダウンになってしまうのです。
「看護プロ」では、高橋さんに、まず、今お考えになっている給与が、通常の日勤常勤ではかなり難しいというお話をさせていただいた上で、他にどんな選択肢があるのかを、じっくりと一緒に検討させていただきました。
そんな中で浮上してきた選択肢が、夜勤専従の常勤という働き方です。
夜勤専従というと、非常勤採用を思い浮かべる方が多いのですが、数は多少少ないものの、常勤として夜勤専従を採用している病院もあるのです。
常勤であれば、当然賞与も通常のスタッフと同様に支給になりますし、夜勤の回数が多い分、給与も高くなります。
また、夜勤専従常勤の場合、当然ですが日勤帯の出勤はなく、通常の働き方に比べ、出勤する回数自体がかなり少なくなります。概ね月9回程度でしょうか。
高橋さんの場合は、少し家が不便な場所にあり、通勤にかかる時間も馬鹿にならないため、出勤回数が減ると、それだけでも自由になる時間が増えるのです。
多少夜型の生活になる部分もありますが、自由になる時間は増やしやすく、夜勤のみの勤務なので、意外に生活のリズムが取りやすかったりという利点もあるそうです。
この辺のメリット、デメリットを含め、高橋さんに、夜勤専従常勤という働き方をお話したところ、当然、家族の理解を得ることが大前提ではあるものの、これこそ、自宅で過ごす時間をなるべく多く確保しながら、給与にもこだわりたいという、自分の希望をかなえる働き方ではないかという話になったのです。
希望の勤務形態や場所が決まったら、あとは求人を探すだけです。
ただ、夜勤専従常勤という働き方は、まだまだ認めている病院が多くはありません。
しかも、病院のWebサイトを見るだけでは、非常勤の夜勤専従なのか、常勤の夜勤専従なのかが分かりにくく、都度病院の担当者に問い合わせをしなくてはならないようです。
「看護プロ」では、この病院への問い合わせ業務を代行して行うことができますし、過去のデータから、夜勤専従の常勤採用をやっている病院のリストというものも取り揃えておりますので、効率的にこうした求人を見つけることができます。
実際、高橋さんの指定するエリアで、夜勤専従の常勤採用をやっている病院を比較的短時間で見つけることができ、その病院に夜勤専従常勤としてご入職をいただくことになりました。
最初の1ヶ月は新しい病院に慣れるためにも、日勤帯を中心に勤務し、2ヶ月目から夜勤に入りはじめ、3ヶ月目からは完全な夜勤のみのシフトになったそうです。
入職から半年が経った今では、すっかり夜勤のみという働き方に慣れたと仰っていましたが、時間を気にしながら朝の混雑した電車に乗ることがなくなったので、随分通勤も楽とのこと。
夜勤のみ勤務の生活には、最初はご家族も慣れずに、ちょこちょこ問題もあったそうですが、今ではうまく慣れることができ、特に問題はないとのことでした。
末長いご活躍をお祈りしております。