生まれも育ちも神奈川県内という方で、看護学校卒業後も地元の大学病院に勤務され、今年で4年になります。
子供好きということも手伝ったのか、配属はずっと小児科病棟とのことでしたが、患者の身体が小さくコミュニケーション力も十分とは言えない分、急変も多いそうで、大学病院の小児科病棟というのは、非常に神経を遣う職場とのことでした。
この大学病院での勤務に対し、最近、体力的にも精神的にも限界を感じているということで、今回、「看護プロ」に転職のご相談をいただきました。
どうやら、一通り仕事を覚え、以前に比べれば、多少は余裕も出てきたと思っていた矢先に、身体を壊して、一ヶ月ほど仕事を休むことになってしまい、それをキッカケに転職を決意されたようです。
大学病院の勤務は3時間、4時間の残業は当たり前ですし、どうしても重症度の高い患者が多いため、体力的にも精神的にも限界を感じてしまったようでした。
では、前田さんにとって、どんな職場が理想的なのでしょうか。
ご本人によれば、身体を壊したのは、不規則な勤務と過度な残業が一番の原因で、それに加え、重症度の高い患者に接することに対する精神的なストレスも大きかったとのことでした。
前田さんとしては、理想は日勤のみで残業もそんなに多くなく、比較的症状の軽い患者が集まるようなところで働きたいとお考えのようでした。
最初、自分なりに調べてみた結果としては、比較的規模の小さい病院の日勤常勤か、もしくは、クリニックの外来などが条件に合っていると思われたようです。
ただ、そうなると、今度は待遇が心配になります。
夜勤手当や残業代がつかないことはもちろんですが、前田さんが自分の希望にあっていると考えている、小さな病院や、一般のクリニックはそれほど高い給料は望めません。
ご実家は神奈川県内とのことでしたが、昨年末から一人暮らしを始めたそうで、ご本人としては、この暮らしを結婚するまでは続けたいと考えているとのこと。
そのためには、いくらか下がることは仕方がないとしても、給料にも一定こだわりたいとのことでした。
はたして、そんな都合の良い就職先があるのでしょうかと前田さんは肩を落とします。
確かに前田さんのご希望を全てかなえる就職先というのは、簡単には見つかりません。
前田さん年代で、一般病院の日勤常勤ということになると、税金を引かれる前の月給で、高くても25万円ぐらいが相場でしょうか。
一般的なクリニックではもっと低くなってしまうかもしれません。
また、ご本人としては、今住んでいるところが、多少都市部からは離れているため、できれば職場については、横浜や川崎といった神奈川の中心部が良いとお考えでした。
給料がある程度高く、日勤のみの勤務で、職場の立地が良い、こんな希望に対して、「看護プロ」がご提案させていただいたのは、美容外科クリニックという選択肢でした。
もちろん、病院で夜勤もやるという働き方からすれば、だいぶ給料は見劣りしてしまいますが、通常の日勤常勤やクリニックに比べれば、だいぶ給料は高い職場と言えます。
クリニックにもよりますが、月給が28万円前後からスタートすることが多いのです。
また、美容外科クリニックは、極めて立地が良いクリニックがほとんどです。
最寄駅はターミナル駅であることが多く、その駅からのアクセスも非常に恵まれているクリニックが多いのです。
ただ、一方で、夜遅くまで営業しているクリニックがほとんどで、日勤のみの勤務とはいえ、20時、遅いところだと、22時ぐらいまで勤務となっているところもあります。
また、土日祝日は一番忙しくなる曜日ですから、普通の病院勤務より休みが取りにくいというのが実情です。
更に、患者も前向きではあるものの、病気というわけではありませんから、病院というよりはサービス業で働くぐらいの気構えが必要となります。
美容外科クリニックは、本当に前田さんに向いている職場なのでしょうか。
「看護プロ」では、こうした美容外科クリニックで働くことの良い点、注意が必要な点を整理して、前田さんに自分に合っているのかをじっくり考えていただきました。
「看護プロ」が、前田さんとお話した印象としては、非常に人当たりの良い方だったので、適性はあると思って、ご案内をしたのですが、ご本人としても、昔飲食店でアルバイトをしていたこともあるそうで、人と接したり、サービスを提供することは、自分に向いているとのことでした。
加えて、美容という分野には興味があって、自分でも時々脱毛で利用するクリニックがあるとのことでした。
ただ、前田さんが心配していたのは、美容外科クリニックの中には、あまり経営がうまくいっていないところや、医療事故を度々起こしているところがあったりと、どれを選んだら良いかが分からないという点でした。
そこで、「看護プロ」では、経営状態や、院内の体制がしっかりと整備されているか、といった点に注意しながら、いくつかのクリニックを前田さんにご紹介しました。
その中から、現在採用が行われている拠点を参考に、志望先を一つのクリニックに絞り込みました。
その上で、前田さんには一度「看護プロ」にご来社いただき、クリニックに面談に行く前に、面談当日の対策も行いました。
美容外科クリニックは、今までと違った環境で、一から仕事を覚えなくてはならないことや、前述の通り、サービス業のような心構えを求められることなどから、一般の病院やクリニックに比べ、採用となるハードルが高いのです。
その結果、前田さんは見事内定をもらい、本人も納得の上、大学病院を退職された翌月から、そのクリニックで勤務することになったのです。
入職から3ヶ月が経ち、試用期間が終わって正職員となった頃、前田さんに連絡を取ってみました。
ご本人によれば、やはり病院に比べて、サービス精神が強く求められるため、毎日気を遣うことは多いし、これまでやってきた看護業務と求められる技術も異なるため、苦労は多い。
ただ、「もっとキレイになりたい」という患者の要望に応えることには非常に遣り甲斐を感じているし、待遇や立地、そして職場の設備もキレイで、非常に満足しているとのことでした。
スタッフには、前田さんと同年代の方も多いそうで、人間関係にも恵まれているとのことでした。
また、いくつかの施術については、職員用の割引もあるそうで、脱毛だけではなく、色々自分でも試しているとのことでした。
前田さんのご活躍、お祈りしております。