出身は愛知県だったそうですが、中学生の時、ご家庭の事情で、岐阜県に転居。
それ以来、ずっと岐阜で家族と生活されてきたそうですが、転居後、柴本さんは一般の公立高校に進学。
当時、将来は薬剤師になることを目指していらっしゃったそうですが、私立大学の薬学部の受験に失敗して浪人。
浪人時代も薬学部目指して受験勉強に励むものの、当時、薬剤師の仕事があまりイメージできないこともあり、なかなか思うように勉強に身が入らなかったとのこと。
そんな中、親戚のお見舞いに行った時に、その病院にいた男性の看護師長の話に感銘を受け、急遽方向転換を決意。
「医療に携わるのであれば、看護師の方が自分に向いている」と直感的に思い、看護師になることにされたそうです。
現在は看護学校に在籍しており、2ヶ月後の看護師国家試験を受ける予定とのことでした。
「看護プロ」では免許取得直前の学生さんのサポートも行っており、年末から3月上旬にかけて、毎年多数の学生さんにご登録をいただいてます。
柴本さんの場合、高校時代の仲の良い友人が数名東京にいらっしゃるそうで、その方々に触発され、「自分も就職は絶対東京」と強くお考えでした。
ただ、そう何度も岐阜から東京まで面接に来ることも難しいため、なるべく少ない日数で複数の面接を調整したい、また、そもそも東京の地理に明るくないので、どの辺に住んだら良いかも相談したいということで、「看護プロ」にご登録をいただいたとのことでした。
柴本さんの当初のご希望は、東京都内の寮付きのリハビリテーション病院。
浪人時代に看護師を目指すキッカケになった、男性の看護師長が、リハビリテーション病院の方だったということもあるようですが、その他にも、リハビリ病院は力仕事が多く、男性が活躍できるという話を聞いた。
また、リハビリ病院は一人の患者さんと接する時間も長く、どちらかと言えばノンビリ屋の自分にあっているのではないかと考え、都内のリハビリ病院を志望されているとのことでした。
このお話を受け、「看護プロ」では柴本さんのご希望通り、都内のリハビリ病院として候補になりそうな病院をピックアップしつつも、本当にそれが柴本さんにとって最良の選択肢なのかを、ご本人とじっくりお話させていただいたのです。
確かに、柴本さんの仰る通り、リハビリテーション病院で働くことには、様々な良い点があると言えるでしょう。
柴本さんの挙げていたことの他にも、患者さんの回復していく様が、比較的実感しやすいということや、急性期の病院に比べると残業が少ないなど、就業環境の面でも、様々な利点があるように思います。
ただ、「看護プロ」が気掛かりだったのは、新卒看護師として、最初からリハビリ病院に行くことは、ご本人にとって、本当に良い選択肢と言えるのかということでした。
端的に言えば、一般の急性期病院で働き始めることに比べ、リハビリ病院で、看護師としてのキャリアをスタートさせた場合、どうしても、将来的な選択肢が狭くなってしまうのではないかと考えたのです。
勿論、ケースバイケースではあるものの、一般論として、リハビリ病院や、慢性期の病院での経験しかない方が、年齢を重ねてから急性期の病院にチャレンジするということは、決して簡単ではありません。
一方で、その逆のパターンはよくあると言えます。
その意味で、最初は急性期の病院、それも、ある程度大きな総合病院で、定期的に新卒の受入れを行っているような病院でキャリアをスタートさせた方が無難な選択肢ではあるでしょう。
そうした病院であれば、新卒育成のプログラムも確立されているでしょうし、何より同期という仲間がいることは、とても心強いはずです。
具体的なリハビリ病院をピックアップしつつも、こうした話をするうちに、柴本さんも、しだいに最初からリハビリ病院に行くのではなく、300床前後の総合病院から、看護師としてのキャリアをスタートさせた方が良いのではないかとお考えになるようになりました。
最終的に、柴本さんは、府中にある総合病院に入職されました。
上記のような方向転換の後、東京のどのあたりのエリアが柴本さんの住みたいエリアなのかということをすり合わせ、いくつかの候補を見た上で、その病院にお決めになったのです
あえて23区内の病院でなかったのは、候補を絞り込む段階で、柴本さん、実は人があまり多過ぎるところは好きではなく、少し都心部からは外れているところの方が良いということになったからです。
ただ、休日は、繁華街に飲みに行く機会が多くなりそうで、東京にいる仲間達の話を聞くに、新宿近辺に集まることが多くなるだろうとのこと。
そこで新宿へのアクセスが良いものの、周りの環境が少し落ち着いたところということで、いくつか挙げた候補の中から、最終的にこの府中の病院を選択されました。
4月から同期になる予定の新卒看護師の中に、何名か男性がいたということも、決め手になったようです。
入職後、3ヶ月が過ぎた頃、柴本さんに連絡を取ってみました。
仕事も新しい生活も、まだまだ慣れないことが多く、特に仕事の方は毎日をやり過ごすことに精いっぱいというお話でしたが、最近、なんとなく仕事のコツのようなものが、見えてきたとお話されていました。
将来的には、浪人時代に会った男性の看護師長のように、管理職として仕事をしたいし、リハビリテーション病院には引続き興味はあるとのことでしたが、とりあえず、今の病院で積める経験は無駄にはならないはずなので、30歳になるまではここで頑張ろうかと思っているとのことでした。
柴本さんのご活躍、心よりお祈りしております。