医療事故
今日の日経新聞を見ると、2件医療事故が掲載されていました。
医療事故の記事を見ると、いつもやりきれない思いになります。
医療関係者も、人間。
ミスを0にするというのは、非常に難しい。。。
一方で患者側に立つと、ミスがあったらたまらない。
ましてや、死につながる、大きな障害が残るといった場合には
感情面の問題から、病院側との間に埋めがたい溝ができることは容易に想像ができます。
当然ですよね、それは。
自分がその立場に立ったことを考えると、ごく当たり前の感情です。
少し前、医療事故を起こした医師が刑事裁判にかけられたことがあります。
刑事裁判とは、刑が確定すると「前科」がつくということです。
明確なガイドラインがないまま、刑事裁判にかけられる例が増えると
医師は医療事故の可能性の高い診療科目は避けて
手術のない安全性の高い診療科目を選ぶようになる可能性が高くなります。
それは、全体感の中では決して良いことではありません。
救急が足りない、産婦人科が足りないと言っている中で、
さらに、今からそこを目指す医師が減ることは、致命的と言えます。
なにを持って、医療事故(事件)と言い
なにを持って、残念な結果だったが正当な医療だったと言うのか
きちんとラインを定めることが、絶対に必要だと思います。
一般の方は、「裁判にかけられている時点で、その人が悪い!!」と思うかもしれませんが
先の刑事裁判の事例では、日本産科婦人科学会、各地の医師会、産婦人科医会、保険医協会等から
不当逮捕だという抗議が出ているわけです。
「そもそも犯罪ではない!!事件ではない!!」と。
ラインがないんですね。
そして、事件があった後にラインを引くのでは遅いのです。
どちらかは、「それなら先に言ってくれ」と思う訳ですから。
毎回、医療事故の記事を読みながら、そんなことを思います。
株式会社ローザス 柴崎高聡
2009年08月26日カテゴリー:医療全般