医療事故の公表率
重大な医療事故のうち、公表されているのは全体の2割。。。
少し前ですがそんなニュースがありました。
この数値は、全国80の大学病院のみを対象とした数値のようで、
2割というのは、素人目にはだいぶ低いように見えます。
何でもかんでも公表すればいいというものではないでしょうし、
プライバシーに関わる情報であるため、
公表には色々と障害があることは容易に想像できます。
ただ、医療事故を公表するのは、その再発を防止するということが
一番の目的であることは間違いないわけで、
この数値を見るに、その目的が第一として扱われているようには
思えません。。。
大きな組織を動かす施策というのは、
実行される段になって、諸々の障害に気を取られ、
最初の目的を見失ってしまうケースが多いと思います。
公表されていない8割の詳細が分からないので、
一概には言えませんが、今回のケースはどうなのでしょうか。
この問題に関わる方々には、
そもそもの目的は何だったのか、またそれを達成できているのかを
もう一度考えて、今後の対応を進めて欲しいものです。
ちなみに余談ですが、この数値を見せられた方としては、
当然、私立病院も含めた全体の公表率は
一体どのぐらいなのかと疑問に思うわけですが、
実は、私立病院には医療事故の報告義務というものがないらしく、
全体の公表率というのは分からないそうです。
そもそも、医療事故は、まず、第三者機関に報告されるようで、
ここでいう公表率とは、その報告がなされているもののうち、
公表されているものの割合のようです。
この医療事故の報告義務化をめぐる当時の国会答弁を見ると、
要は、医療現場の過度な萎縮が心配で、
報告を行うような院内の体制が整った病院ばかりではないので、
できそうなところからやりましょうということで、
私立病院には報告義務は課せらなかったようです。
2009年10月06日カテゴリー:看護師