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何をもってドラッグラグとするか

以前このブログで、混合診療に関する議論を取り上げましたが、
日本と海外での薬の承認にタイムラグ(ドラッグラグ)があるという問題が解決すれば
より根本的な問題解決になるのではないかという話を書きました。

とはいえ、素人目に見ても、一筋縄ではいかないと思われるこのドラッグラグ。

何故このようなことが起こるのでしょうか???

よく耳にするのは、日本の安全性の確保により過ぎた承認制度の問題や、
この承認に携わるスタッフの人員不足が大きな要因になるという話です。

単純に承認に時間がかかっているということが問題なのであれば、
何かしら施策はありそうな気がすると思っていたところ、
別の主張をする記事を見つけました。

↓↓↓
記事

この記事によれば、問題は、審査の長期化ではなく、
開発(治験)着手の遅れにあるというのです。

患者数が少ない場合、
市場規模が小さくてリターンが見込めない場合、
また、日本でのライセンス先が決まらない場合など、

開発自体が遅れ、審査に時間がかかる以前の問題になってしまうとのことでした。

この審査に時間がかかるという主張と、開発の着手に時間がかかっているという主張は、
結構大きな隔たりがある主張ですが、これは何に起因するものなのでしょうか?

それは、一言でいえば、ドラッグラグが発生しているとする薬の取り上げ方、
つまり、どの薬にタイムラグがあることが、
ドラッグラグが発生していると考えるかの違いにあるようです。

承認に時間がかかっているというのは、
売上の大きい順に何種類かの薬を見ての結論である一方、
開発の着手に遅れがあるというのは、
臨床的重要度が高いという観点から薬をリストアップしているのです。

これは、データの取り方で結論が大きく変わる良い例だと思いましたが、
このデータの取り方の違いは、
ある意味、薬の重要性をどう定義するかという問題と同義であり、
ドラッグラグの解消を議論する前に、
まず、この点についてコンセンサスが必要であるように思いました。。。

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2009年10月28日カテゴリー:医療全般