ローザス医療ニュースブログ


診療報酬議論への独り言

年末にかけて、診療報酬改定の方向性が決まるため
メディアでも取り上げられる機会が増えているようです。

大きく分けて議論されている点は、下記2つ。
(1)社会保障費全体(この場合、診療報酬)を引き上げるべきか、否か?
(2)診療報酬のバランスを変えるべき。
→具体的には、開業医から、勤務医に比重が回るようにする。要は、勤務医は開業医に比較すると、給与が低く、労働は過酷。それゆえ勤務医が減少し、医療崩壊につながっている。それを是正するため、勤務医に手厚い制度設計にしよう、という意見。

今日の日経新聞5面にも、それに関連した記事が掲載されていました。
「診療報酬増額、綱引き激しく」という記事で、
(2)の論点についての解説されています。

その中に、こんな一節が
「(勤務医の報酬増に)薬価の引き下げ分を回せるものの、なお不十分なので・・・」
つまり、薬価はすでに引き下げられることが決定しているわけです。

確かに、薬価は診療報酬改定の度に引き下げられています。

「製薬メーカーも大変だなぁ。。」

最初から下げられることが確定しているのは辛いな、と思いながら
ページをめくると冬のボーナスの記事が大きく載っています。
支給額ランキングトップ20を見てみると、そのうち5社が、製薬メーカー。

おや?
普通に考えれば、薬価が下がる=売り上げが下がる=利益も下がる=ボーナスが減る
となると思いきや、この業界は突出して高い。
不景気も関係なし。

ホワイトカラーの人材紹介をやっていた立場からすると
たしかに、この業界の給与水準の高い。

自動車メーカーやら、機械メーカーやらが「売上昨年度対比20%ダウン」が当たり前の中で
「薬価3~5%ダウン」ですもの。
しかも、全体の医療費自体は増えているわけですから、
売り上げへのインパクトは、さらに小さい。

「それなら、薬価をもう2%くらい減らせば良いではないか!」
と思ってしまいました。

柴崎

2009年12月11日カテゴリー:医療全般