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看護師のキャリアデザインについて

社会にでれば、まずは就いた仕事の手順やらルールやらをたたきこまれます。

しばらくすれば、だんだん仕事にも慣れが出始め、

「同じ仕事を、毎日している」

「こんな働き方でいいのか」

「もっともっと自分に出来ることがあるのではないか」

・・・など、戸惑いが起こりはじめます。

諸先輩方からすれば、「何を甘いことを」と叱られてしまいそうですが、
キャリア論的に考えれば、3年、5年、10年の単位でそういった節目が
訪れるのは当然であり、こういった節目に、自分の価値観、広く言えば
生き方の再構成をしていくことは必然のことといえます。

看護師も例外ではありません。

聖隷浜松病院副院長 総看護師部長である勝原裕美子さんは
著書「看護師キャリア論」(ライフサポート社)の中で、
看護師のキャリアを次のように整理されています。

①「組織内での昇進・昇格」
例:病院看護師→主任→看護師長→看護部長

②「ある種の専門職にみられる体系的なステップ」
例:臨床経験を積む→認定看護師などのスペシャリスト、など

③「生涯に渡る職業経験」
例:病院看護師→地域保健師→訪問ステーション立ち上げ

④「役割に関連した生涯にわたる諸経験の連続」
例:新人看護師の時のリアリティショック、患者の死に遭遇したときのやるせなさ、
そうした数々の体験が看護しである自分を作り出していく

加えて、圧倒的に女性が多い看護師は、これに伴い、ライフイベント
(結婚、出産、子育て、介護など)価値観に影響を与えるような出来事も、
看護師のキャリアに大きな影響を与えていることは言うまでもありません。

以前、プロフェッショナル 仕事の流儀に、がん看護専門看護師の田村恵子さんが
出演されていましたが、彼女もご自身の仕事の原点として、ある患者さんを
看取った経験を語っていました。誰にでも、そういった原点や節目はあるのだと思います。
ただ、その時、その後、どう行動していくかに違いがあるのかもしれません。

キャリアという言葉が独り歩きしがちな時代ですが、要は「その人の生き方そのもの」
であり、優劣でもなく、一人一人固有のものです。

今ある環境や能力で制限をかけることなく、本当にやりたいことを探してくこと、
すなわち、どう生きていくか?を考えていくことがキャリアを考えるということだと思います。

日本の医療が注目され、法制度も変わりつつある現在は、看護師のキャリアについて、
より柔軟に考えることができる良い機会といえるのではないでしょうか。

ローザス

2010年01月08日カテゴリー:看護師