ローザス医療ニュースブログ


医学部定員増は誤り?

看護プロの柴崎です。

医師不足による医療崩壊が叫ばれて久しいですが
ようやく厚生労働省も医学部定員増を目指し、大学の定員も拡大をはじめています。

かつ、新しい医学部の設置も検討しているようです。

21日の朝日新聞の記事によると
これに立候補したのは
国際医療福祉大(栃木県)、北海道医療大(北海道)、聖隷クリストファー大(静岡県)の3大学。

一方で、
全国医学部長病院長会議は、定員増に反対とのこと。

記事はこちら→医学部新設と急激な定員増は慎重に
全文はこちら→要望書

要点としては

(1)これ以上定員を拡大すると、教員(医師)が時間を取られ、地域医療に時間を割けない
(2)定員を拡大すると、増加スピードが早くなりすぎる

特に、2番目は重要なポイントです。

一人前の医師を輩出するためには、10年ほどかかります。
なので、今から定員を増やしても、医師になるのは10年先。

その間、日本の医師数は年間4400人増えています。

そこに、定員増後の卒業生が加わると
6年でOECDの平均値になり、その後10年たたずに世界一の医師数になる。

それを過ぎると、今とは逆に医師が余る社会が到来してしまう。

たしかに、こうしてみると問題が多そうですね。
そもそも、
「定員1.5倍!」というのも、なんの根拠があって出てきた数字か不明ですし。。

この意見書を受けて、政府がどう対応するのか
引き続き注目していきたいですね。

2010年02月24日カテゴリー:医師