潜在看護師55万人
数年前から、看護師の復職プログラムが注目されています。
地方自治体や病院が主体になってやっている場合もあれば、
人材会社など、民間の事業会社が音頭をとっている場合もあるようです。
現場の看護師は足りないが、今仕事をしていない有資格者は意外に多いのです。
この潜在的な看護師を活用して、現場のマンパワー不足を
解消しようというわけです。
一説によれば、この潜在看護師数は55万人にもなるそうですから、
看護師不足解消の切り札になると考えるのも当然です。
先日も少し触れましたが、看護師不足を解消する施策としては、
看護師の仕事を減らすか、人を増やすかのどちらかしかありません。。。
人を増やすといっても、そんなにすぐには増えないわけですから、
眠っている人を活用するというのは、うまくやれれば
それに越したことはないと思います。
実際に成果につながっている例もあると聞きます。
ただ、この潜在看護師数55万人というのは、
少し大げさな数字のように思います。
潜在看護師の活用を単体で、問題解決の切り札と考えるには、
数が足りないのではないかという実感があります。
もちろん、有資格者で、今、看護の現場から離れている人は
それぐらいいるのかもしれませんが、
その全てを『潜在』と呼ぶのは無理があるのではないかと思うのです。
私も日々看護師の方の転職相談を受けますが、
看護の現場を離れたのには、それなりに理由があり、
家庭の事情などで、戻りたくても戻れないということも多いように思います。
また、医療に従事される方には全般的に言えることですが、
高校卒業という比較的早いタイミングで自分の仕事を選択することが多く、
「やってはみたけど向いていなかった」という状況になる方も、
他の業界と比べて少なくないように思います。
ですから、潜在看護師は単体で、看護師不足を
根本から解消するということにはなり得ず、
他の施策と組み合わせてはじめて効果を発揮するものと思います。
ひとつのことで全部解決できるなんて間違い。
当たり前ですが、ふとそんなことを思いました。
株式会社ローザス 笠木
2009年06月22日カテゴリー:看護師