政府、看護人材をベトナムからも。議論すべきは…
こんにちは。看護プロの小林です。
今日は、このローザス医療ブログで何度も取り上げている
「経済連携協定(EPA)に基づく外国人看護師の受け入れ」の話を。。。
記事はコチラ↓
「また似たようなブログ?」
「どうせまた日本語の壁で合格率が低いとかの話?」
などと少数の熱心な読者さんは思われるかも知れませんが
私事ですが、今年の夏期休暇で行った&友人が働く「ベトナムから」ということもあって、調べたところ・・・
驚くべき数値がありました。
■AHPネットワークス_ベトナム人看護師の合格実績
(外国人看護師養成支援事業の歩み 1992年~2010年 NPO法人AHPネットワークスより)
・留学者総数:56人
・受験者総数:56人
・正看護師総数:56人
・合格率:100.0%
■EPAに基づくフィリピン・インドネシア看護師の合格実績
(第100回看護師国家試験[2010年度]より)
・受験者数:合計=398人(インドネシア人=285人、フィリピン人113人)
・合格者数:合計=16人(インドネシア人=15人、フィリピン人1人)
・合格率:合計=4.0%(インドネシア人=5.0%、フィリピン人=0.8%)
決して、上記はベトナム人が外国人看護師の合格の壁と言われる
「日本語の習得」が秀でているという話ではありません。
※以前よりベトナム人の言語習得力の高さや手先の器用さは世界でも非常に評価が高く有名ですが・・・
上記は「選抜~合格までのプログラム」が異なることが主要因です。
【EPAに基づく政府モデル概要】
(1)フィリピン、インドネシアにて看護職従事者から選考
↓↓
(2)日本国内にて看護職に従事しながら、語学研修
↓↓
(3)看護師国家試験受験
【AHPネットワークスモデル概要】
※参考URL:AHPネットワークス【ベトナム人看護師養成支援事業】
(1)ベトナムにて高校新卒者から選考
↓↓
(2)ベトナムにて日本語語学研修
↓↓
(3)日本の看護学校に留学
↓↓
(4)看護師国家試験受験
一概に断言出来る話ではもちろんありませんが
外国人看護師に語学研修を行うモデルよりも優秀な学生が看護学校に留学するモデルのほうが
効果的と考えられます。
日本の看護及び介護職人材不足問題に対して、
協力してくれる諸外国の方々の気持ちに答える意味でも
政府検討事項としては、外国人看護師の受け入れ体制に特化するのではなく
看護学校に於ける外国人留学生の受け入れ枠増設などに目を向けることが非常に重要と思います。
また、ビザに関する問題や准看護師受験者要件の緩和なども検討すべき大きな課題であると思います。
末筆なりまして、大変申し訳ございませんが
突然の電話の問い合わせにも関わらず、丁寧にご返答いただきました
AHPネットワークス 二文字屋様には深く御礼を申し上げます。
ご多忙かとは思いますが、改めてお話をお伺いできれば幸いです。
ありがとうございました。