ローザス医療ニュースブログ


特定看護師、法制化へ?

こんにちは。
看護プロの柴崎です。

ここ数年、議論の交わされている「特定看護師」制度ですが
いよいよ来年度の通常国会へ法案が提出されることになりそうです

ただし、
・12月上旬の社会保障審議会の医療部会の承認を得る
・「特定」の医療行為の範囲や養成課程といった制度詳細については、あくまで制度の枠組みにとどまる

といことなので、
「結局、どうすればいいの!?」
という、玉虫色の結果に終わる可能性も、少なからずありますが。。

ここで、特定看護師についておさらいしておくと
医師から大まかな指示に基づき、
看護師が患者の状態を判断しながら、薬を出したり、簡単な検査や処置を行ったりします。

特定看護師資格を取得するためには
・5年以上、医療現場の経験
・大学院などで専門教育を受け、国が行う試験に合格すること
等が、想定されています。

実際に、国のモデル事業として
2008年から一部の大学院ではコースが設置され
大分県の佐伯中央病院では、今年の4月から
「特定看護師」という名札を付けた看護師が、
心臓の超音波(エコー)検査や胃ろうチューブの交換など、患者相手に医療行為を始めています。

この法案をめぐっては
・在宅医療を推進したいが、医師・財源不足に困る厚生労働省
・看護師の職務範囲を広げたい看護協会

・看護師の提供する医療レベルに、不安を持つ人たち
・医師の職務領域を死守したい医師会

の分かりやすい対立が生じています。

政治的に見ると
医師会も看護協会も多きな票田ではあるので、
どちらかの意見を完全に無視することはできなそうですね。。

ただ、厚生労働省としては
「特定看護師の推進」が大きな方向性になっているようなので
少しずつでしょうが、導入が広がるでしょう。

ただ、現場で働く看護師・医師にとっては
・業務範囲
・なにかあったときの責任の所在

を明確にしてもらわないことには、安心して業務に取り組めないというのが
本心ではないでしょうか?

医師不足や
高齢者の在宅医療のニーズがますます高まる中においては
必ず必要な制度だと考えています。

ですので、曖昧さの残らない制度を設計していただきたいものですね。

2011年10月26日カテゴリー:看護師