ローザス医療ニュースブログ


認知症の方が300万人を突破

こんばんは。看護プロの野澤です。

最近、認知症の患者さんが日本でいよいよ300万人を超えたというニュースを見て、気になりましたので改めて調べてみました。
看護師の方々には既に既知の部分が多いとは思いますが。。。

■認知症とは
脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったためにさまざまな障害が起こり、生活するうえで支障が出ている状態

(具体的な症状)
もの忘れ、幻覚・妄想、徘徊、異常な食行動(異食症)、睡眠障害、抑うつ、不安・焦燥、暴言・暴力、性的羞恥心の低下、時間感覚の失調

(主な原因)
最も多いのは、脳の神経細胞がゆっくりと死んでいく「変性疾患」でアルツハイマーはこの中に含まれる
第二に多いのは、脳血管性疾患で脳梗塞、脳出血などによるもの。上記の2つで80%以上を占める
ちなみに、韓国映画などで話題になった若年性アルツハイマーは遺伝的なものらしい。

■認知症の方はどれくらいいるのか
今年時点で300万人を超え、2002年時点の150万人から10年間で2倍に増加。
65歳以上の高齢者が3000万人を超えたというデータも公表されており、すなわち、10人に1人が認知症を患っている計算となる。
2025年には約450~500万人と1.5倍以上に増えることが予想されている

■認知症の対策と今後
(対策)
根治できる薬はまだ開発できておらず。
最強の対抗薬であるエーザイ社のアリセプトでも症状を遅らせることしかできてない。
それでも、売上は毎年1000億円以上。今後も認知症患者増加と比例して、確実に増えていくか。
※但し、特許切れしたのでアメリカの売上は前年比9%程度と驚異的な下落。日本はまだ、あまり変化なし。
一時期、ファイザー社が根治薬開発間近と騒がれていたが、また消滅している。

現状、対抗できるのは生活習慣による防衛が王道と捉えられている
食事・運動・睡眠・知的活動などにより、脳の活動を維持、強化することにより進行を止める、あるいは、そもそもそれにしない状況が可能
定量的でないものの、60歳以降も自ら主体的に日々を過ごしている人(経営者など)には認知症患者は少ないらしい

(今後)
国(厚生労働省)が掲げている方向性は下記。(今年に発表したばかり)

今後目指すべき基本目標⇒「ケアの流れ」を変える
これまでの「自宅→グループホーム→施設あるいは一般病院・精神科病院」というような不適切な「ケアの流れ」を変え、
むしろ逆の流れとする標準的な認知症ケアパス(状態に応じた適切なサービス提供の流れ)を構築する

新対策には2つの目玉があるらしい。
・看護師や保健師、作業療法士などの専門職からなる「初期集中支援チーム」の設置。
・症状が悪化した時に往診する「身近型認知症疾患医療センター」の設置。
自宅や介護施設での悪化の要因を分析し、治療やケアの改善策を講じる。全国300か所程度の設置を目指す。

上記により、在宅ケアの強化と長期入院の回避を狙う。

■まとめ(私の主観です)
国の方向性は認知症になってしまった人のサービスであり、そもそも認知症にしないサービスではない。
上記に記載したとおり、(定量的でないものの)60歳以降も自ら主体的に日々を過ごしている人(経営者など)には認知症患者は少ないらしい。
60歳定年後に、仕事から離れた後も社会との接点を持ち、コミュニティを創り、脳によい刺激を提供し続けられるサービス展開を民間が担えるのではないだろうか。
マーケットは認知症の300万人ではなく、認知症予備群となる65歳以上の3000万人以上と巨大な規模。
しかも、今後はさらに拡大。さらには、日本だけでなく、世界でみればマーケットはさらに拡大。
高齢者対象で、民間がサービス展開できる余地はいくらでもあるはずです。

今後の国の動きに着目し、また、私達も何か価値を発揮できるサービス展開ができないか日々、模索していきます。

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2012年09月24日カテゴリー:医療全般