富山大 院内トリアージで韓国の医大と協定
こんにちは!ローザスの小澤です。
昨日のニュースで「富山大 院内トリアージで韓国の医大と協定」
というニュースが流れていました。
簡単に時系列に説明させていただくと、
①5年前、カナダのシステムをもとに富山大学が院内トリアージについて
日本版システムを構築
※院内トリアージとは、救急外来に受診した患者に対して、緊急度・重症度の判断のこと
②2010年に富山県内にソフトを配布
③2012年ソウルで開催された救急医学の国際会議でこのシステムが紹介、
韓国側が興味を示す
④富山大が、韓国のトリアージシステム構築を主導する延世大原州医科大と
学術交流協定を結ぶ
とのことです。
この記事を調べてみて、考えたことは2つあります。
1つは、日本国内でもますます医療的な判断の基準化が図られていく
のではないかということです。
実は今年(2012年の春)診療報酬の改定で、
院内トリアージ実施料が新設される事になりました。
これは、夜間・深夜・休日の救急外来受診者に対し、
院内トリアージを実施すると初診時のみ100点付くことになっています。
これまで個々人の裁量にゆだねていた医療の判断の部分を、
一つの基準で判断するようにしていこうという狙いがあります。
こうすると国にとっては必要経費などが計算しやすいというメリットがあります。
また、患者にとっても科学的な基準で作成されたものであれば、
よりよい医療が提供される可能性が高くなりますよね。
しかし、結局判断するのは個々人ですので、
きちんと判断できる人材がいなければ画餅に終わる可能性もあります。
ちなみに院内トリアージの場合、実施者は看護師ということになります。
ますます看護師さんの役割が高まっていくことになりますね。
ぜひ、看護師さんに頑張っていただきたいと思うとともに、
必要な教育を提供できる機会を、
しっかりと国や医療機関が整備してほしいと思うものです。
2つ目が、こういったシステムの構築&輸出が、
今後はビジネスとして展開できないかということです。
既に交通のインフラなどでは日本のシステムを輸出する形式が見られますが、
医療でもこういった方向性は大いにありえるのではないでしょうか。
欧米からアイディアを輸入→日本版(アジア版)にアレンジ→アジアに輸出
といった加工輸出型のようなことが医療でも出来ればなと思います。
今回、日本システムの開発を主導した富山大大学院医学薬学研究部の奥寺敬教授は、
「正直、韓国からこんな反応があるとは思っていなかった」
と語っているそうです。
こういった偶然の出会いも素晴らしいと思いますが、
戦略的にそういった出会いをつくっていくようなことをしていってもいいですよね。
株式会社ローザス
2013年01月16日カテゴリー:医療全般