認知症の方の事故は、家族の責任?
こんにちは、看護プロの柴崎です。
暑い日が続きますね。
気が付けば、毎日一品くらい冷たいものを食べている気がしますが
これは夏バテのはじまりなのでしょうか?
先週、少し気になるニュースがありました。
認知症男性、線路に入り死亡 電車遅れで遺族に損賠命令
なかなか、厳しい判決だな。。というのが実感です。
短い記事のみなので、詳細は分かりませんが
「認知症の人の家族には、徘徊しないように見守る監督責任がある。それをせずに事故を起こしたことに対して損害賠償をすべし」
としているようです。
気になる点は
「徘徊(はいかい)を防止する適切な措置を講じていなかった」という部分。
どの程度の介護体制を組んでいれば、「適切」と認められるのでしょうか?
ちなみに、今回のケースでは、同居している妻は85才、息子は別居しているそうです。
つまり自分たちで、ずっと監視するのは難しい状況。
だとすると、訪問介護なりを頼む必要があることになりますが、
徘徊癖のある方が、「いつ」徘徊するのか分からないわけです。
これを「監視」するためには、24時間介護を頼まなければいけないのか?
そんな裕福な家庭ばかりではないので、これはムリがある結論になりそうです。
別の視点から考えると、老健や療養型の病院も損害賠償請求の対象となる可能性があります。
たまにこうした施設に訪問すると、
「認知症の方が、施設の外に出てしまって、探すのに大騒ぎでした」という話を聞くことがあります。
この間、ご一緒した看護師さんも同様のことをおっしゃっていて
「次は徘徊の可能性のない病院が良い」と、そういう有料老人ホームの看護師求人をお探しされていました。
家族から見れば、こうした施設や病院に「監督を依頼」している形になります。
なので、施設の外に出た方が事故を起こした場合には
施設側に損害請求賠償が請求されることになりそうです。
徘徊した方が事故を起こすケースは少ないのでしょうが
施設側としては、リスクマネジメントの視点から気になる部分ですね。。
2013年08月12日カテゴリー:医療全般