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胃がん検診、内視鏡?それともバリウム?

こんにちは。看護プロの笠木です。

ちょっと前にも似たような話題を取り上げましたが、
今回ご紹介したいニュースも、検診にまつわるお話です。

35歳を過ぎて、いわゆる「大人向けの健康診断」を受けるようになった自分にとっては、
完全に他人事とも言っていられなくなったニュースです(笑)。

さて、このニュースによれば、8年ぶりに改訂される厚生労働省の指針で、
胃がん検診に内視鏡は推奨されず、従来通り、
バリウムを使ったX線検査が推奨されることになり、
それに対して各方面から異論が出ているというニュースです。

《《元のニュース》》

私は専門家ではないので、内視鏡とX線検査のそれぞれの長所と短所について
詳しいわけではありませんが、この記事の表にもある通り、
ざっくり言うと、内視鏡は検査の精度が高く、
Ⅹ線は色々な意味で実施しやすいということがメリットなのでしょう。

検査は当然精度が高いことが大事ですから、
こう見てくると、即座に全ての検査を内視鏡に切り替えるべき、と思ってしまいますが、
もしかすると、行政や一部の医療現場にとっては、X線の「実施しやすい」ということが、
我々一般市民には思いもよらないほど、大きなメリットなのかもしれません。

専門家ではないので、完全な想像ですが、
すぐに現在行われている胃がん検診を、全件内視鏡検査に置き換えるには、
内視鏡に知見がある医師や看護師の数が圧倒的に足りない。

たしかに、内視鏡の経験のある方を求める健診クリニックの求人は多いかもしれません。

また人的リソースだけではなく、こうした変化にはお金がかかるわけで、
そのための予算がどこにあるのか、また、場合によってはこうした変化があることで、
これまでギリギリの状態で運営されてきた検診クリニックが多数倒産し、
結果、社会全体の便益を下げることにもなりかねない、ということもあるのかもしれません。

今回のニュースは、こうした事情を踏まえ、頭のいい人たちが色々と考えた結果、
患者個々人のことはある程度犠牲にしつつも、なんやかんやと理由を付けて、
現状維持に落ち着いた・・・というようにも個人的には見えたりします。

私が捻くれてるだけで、本当にそうなのかは分かりません。

また、世の中という大きな視点で考えると、すぐできること、
できないことは当然あるのだと思いますが、
できないのであれば、それはそうとちゃんとした理由を説明すべきだと思います。

というわけで、この前胃が痛くなったこともあり、
内視鏡検査を自費で受けようかと思ってしまいました。

看護プロ 笠木

2013年08月26日カテゴリー:医療全般