消費税増税と病院経営が破綻する?
こんにちは。看護プロの小林です。
最近テレビのニュースでは「増税問題」が非常に多く取り上げられます。
9月中には結論が出る見通しではありますが、おそらく2014年4月からの段階的引き上げが濃厚かと思われます。
そんな最中、とある病院の待合室にこのようなメッセージのポスターが掲示していありました。
「消費税増税反対!!このままでは病院経営が破綻する!!」
インパクトのあるメッセージですが・・・
どうして、そんなことになるのかというと、医療費は1989年に消費税が3%で始まった時から、社会保障に配慮して「非課税」とされてきました。つまり、患者が病院に診療代を払う時には、消費税はかかっていないということです。
ところが、病院で使うガーゼや注射器などの医療品、医療機器を病院が買う時には消費税がかかっています。つまり、病院は医療品などの消費税を払っているが、患者から消費税をもらえないので、その分をかぶっていると言えるとのことです。
ちなみに看護師さんの給料にはかかっていません。
ただ、これで病院経営が苦しくなると、賞与が減る→看護師さんが転職してしまう→人手不足で大変
という、悪い循環にはいってしまうのは避けて欲しいものです。
消費増税を巡っては、各業界団体が増税時の対応措置を政府に要望をしている段階で代表的な例では「不動産、住宅販売」業界では、下記のような対応がなされるとのことです。
国の財源確保が急務である一方、増税により税収が上がることにより、特定業界の経営が厳しくなるのでは本末転倒という思いもありながらも、病院経営に関しては一部の公立病院ではまだまだ経営努力が足りていないのも事実だと思っています。
消費増税への流れが覆ることはないと考えると、今後はどの業種、業界に対策処置がなされるかが議論の中心になると思われます。
余談ではありますが、消費増税と不動産業界にまつわる話でなるほどと思った話がひとつ。
「消費増税問題があるので住宅購入は急いだほうがいいですよ!!というのは嘘」という話を聞きました。これは新築住宅購入者に限った話で、新築住宅にこだわらない人の場合、中古住宅売買は消費税はかからないとのこと。
そもそも住宅販売においては、課税対象は「建物」だけで、「土地」は非課税です。マンション購入では、そもそも土地と建物を区分けして考えること自体があまりないため、建物部分にしか課税されないことを知る機会は少ないのが理由とのことです。こうした非課税の範囲は一戸建て・マンションを問わず「個人間売買の中古住宅」全般に当てはまります。個人間の中古住宅売買では土地だけではなく建物も非課税となり、「完全」に消費税を免れる仕組みになっているとのことです。売却者の個人は、課税事業者に該当しないから消費税がかからないとのことです。
言われてみれば、なるほどでした。
看護プロ 小林
2013年08月30日カテゴリー:医療全般