ディオバン問題が過熱
こんにちは、看護プロの柴崎です。
一気に秋めいてきましたね。
「食欲の秋」とは良く言ったもので、
さんま、きのこ、栗、いくらでも食べたいものが思い浮かびます。。
今日のお話は、ノバルティスの「ディオバン問題」について。
年明けから、ニュースでちょこちょこ話を耳にしていましたが
一向に収束する気配はなさそうです。
むしろ、大臣やら社長やらが出てきて、事態は悪化しているように思われます。
私自身も全体像が分からなくなってきてしまったので、勉強がてらまとめてみました。
■ディオバンとは?
一般名「バルサルタン」。血圧降下剤。
ディオバンは、ノバルティス社の商品名。
同分野で、日本でトップシェアを誇り、年間売り上げは1000億を超え、日本のノバルティス社の売上の1/3を占める。
ただ、2014年には特許切れを迎え、ジェネリックが出るので大幅な売り上げ減が見込まれます。
平たく言えば、ノバルティス社の「金の卵」。
■そもそもの発端
・2013年4月 京都府立医大 松原元教授(2013年2月退職)の論文に不正があったと大学が発表
ちなみに、2011年12月に調査委員会が設置されていたそうなので、かなり前から疑惑はあったようですね。
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・論文の不正とは、「データの偽造」
バルサルタンを使うと、他の降圧剤に比べ脳疾患や心臓病のリスクが減るというデータが問題に。
要は、バルサルタンに有利な結論が出ていたわけです。
その後、他の大学でも同様の事例が発覚します。
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・研究チームにノバルティス社の社員が加わっていたことが発覚
しかも、肩書を隠して参加。
ノバルティス社からは、1億円を超える「奨学寄付金」が提供されていた。
■長引いた経緯
ノバルティス社の曖昧な態度、不誠実な対応が原因
・当初は、「五つの臨床試験はいずれも医師主導の試験であり、当社はデータ解析を含めていっさい関与していない」と説明。
そもそも「うちはまったく関係ありません」と主張。
当然、怒った大学側は取引停止に。
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・一転して関与を認める。
ただ、「データの意図的な操作や改ざんを示す事実はなかった」「元社員によるデータの操作があったかどうかを示す証拠はなかった」と発表。
今度は、「たしかに関わったけど、うちが悪いわけじゃないっす」と開き直る。
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・ただし、調査協力には消極的
大学のの調査委員会の報告によると、真偽は良くわからない。。
「すでに試験に関与した社員が退職したことを理由に、ノバルティスからは元社員へのヒアリングのための協力を得られなかった」。
ノバルティス社は、会社としての関与を認めたが、「本社の直接関与を否定。」
ちなみに担当者は、5月に退職。。半沢直樹の言うところの、「トカゲのしっぽ切り」?
辞めたとはいえ、これだけ重大な問題の場合には、会社としても個人としても協力するのが筋だと思いますが。。
■今後どうなるの?
なかなか収束しない問題に、業を煮やしたのでしょうか?
ここで、厚生労働省が前面に登場。
・刑事告訴を検討 →不正なデータを使ってディオバンの宣伝を行ったことにたいして
・ノバルティス社本社(スイス)の社長が、田村厚生労働大臣に謝罪
という展開に。
刑事告訴となると、社内データが押収されるので
いろいろと都合の悪い資料が出てきたりするのでしょうか?
厚生労働省が前面に立つことで、早急な解決と再発防止策が練られることを望みます。
2013年09月30日カテゴリー:医療全般