血液検査でがん診断
こんにちは。看護プロの笠木です。
先日、ワールドビジネスサテライトという経済番組で、
「アミノインデックス」という、血液検査によるがん診断の紹介をしていましたので、
今日はこの話題を取り上げたいと思います。
そもそも「アミノインデックス」ってなに?って方も多いと思いますが、
ウィキペディアによれば、
血液中のアミノ酸濃度を測定することで、
健康状態や病気の可能性を明らかにする技術を活用した解析サービス
とのことで、特にこの技術の活用先として期待されている分野が、
がん診断ということなのです。
この技術を3年前に実用化したのが、
アミノ酸のリーディングカンパニーである味の素で、
番組ではそのアミノインデックス事業の責任者のインタビューや、
この検査法の活用に力を入れている、
三井記念病院の健診センター顧問のインタビューが紹介されていました。
この検査は、一回の採血で、胃がん・肺がん・大腸がん・乳がん・卵巣がんなど、
様々ながんのリスクを一度に検査することができるのが特徴で、
リスクが高いという診断が出た場合は、
内視鏡などのより精密な検査をすることになります。
はじめから内視鏡検査をすればよいのでは?という気もしなくもないですが、
盲目的に精密検査を行うよりも、リスクが高い人に集中して検査を行うことは、
医療経済的にも意義があることだと、三井記念病院の顧問の先生が仰っていました。
確かに内視鏡検査は有用性は高いのでしょうが、
まだまだ標準的な健診項目として考えるのは少し無理があるのは確かだと思います。
ちなみに、番組では、この顧問ご自身が、この「アミノインデックス」によって、
大腸がんのリスクを摘むことができたという、
ちょっと出来過ぎな感じのエピソードまで紹介されていました。
この「アミノインデックス」、がん以外の病気にも活用できるそうで、
将来的にはメジャーな健診として認知されることもありそうですが、
現在はまだ保険の対象とはならず、1回の検査を受けるのに、
2万円程度の費用がかかるそうです。
なんだか、DNA健診と似たような位置づけですが、
DNA健診同様、一番の問題は、この検査の有効性が
実際はどの程度なのかという点でしょうね。
残念ながら1~2年で検証できる種類のものではないので、
実験段階であるということを認識した上で
検査を受けるかどうかという判断になると思いますが、
それこそ、そこにもリスクがあるのかもしれません(笑)。
2014年02月26日カテゴリー:医療全般