地域包括ケアシステム
こんにちは、ローザスの小澤です。
みなさんは地域包括ケアシステムという言葉を聞かれたことはありますか?
厚労省が中心に進めている取組みで、
今後の介護保険の大きな方針として示されているものです。
具体的には、イメージ図を参考に頂ければと思いますが、
簡単には医療や福祉、行政の関係団体が連携しながら、
高齢者の生活をなるべく在宅で支えるということです。
国の厳しい財政状況の為もあるのかと思いますが、
実際に多くの高齢者の方自身が
自宅や地元での生活を望んでいらっしゃいます。
それを実現するための政策ということですね。
この方向性の中で、介護だけでなく、訪問看護の求人も増えています。
地域包括ケアシステムの紹介の中で、厚労省は、
「地域包括ケアシステムは、保険者である市町村や都道府県が、
地域の自主性や主体性に基づき、
地域の特性に応じて作り上げていくことが必要です。」
と強調しています。
地域の自発性とは響きがよく聞こえますが、
誰が責任者となりうるのかは明確に決めていく必要があるように思います。
先日お話をお伺いしたケアマネの方は、
独立系の居宅介護支援事業所に所属されておりました。
「今後は地域連携だ!」と確信されたその方は、
自身の事業所の主催で地域包括ケアの研究会を発足。
病院や訪問看護、訪問介護などと連携を強めようと努力されました
しかし、当初より自身の事業所はこの取り組みに対して消極的。
すぐにお金にもならず、余計なことのように映ったようです。
とくにケアマネの仕事は病院から入ってくることが多いわけで、
「この研究会でこの方が余計なことをしたら、
仕事がなくなるのではないか」
という危機感が事業所に強く働いたことが考えられます。
協力もなくなっていき、参加者は徐々に減少。
事業所からは「そのような取り組みをするな」というところまでいき、
結局その方は退職の運びとなったとのことです。
本来であれば「独立系の居宅介護支援事業所」は、
地域包括ケアの在り方を作っていくためには、
ある程度、ふさわしい立場だったとは思います。
しかし、組織の力の前に結局は潰えてしまったわけです。
今回の件は、地域包括支援センターへ協力を仰いだのかどうか分からないので、
公式ルートを巻き込んでいるかどうか不明です。
もしかするとここがポイントだったのかもしれません。
とはいえ、本当に自発的な取り組みが潰えてしまうのは残念なことです。
もちろん、主催者の根気も必要な話だと思いますが、
本当の自発性を支援できるような取り組みがあってもよいのではないでしょうか。
ローザス
2014年05月14日カテゴリー:介護