「混合診療」、15年度から拡大?(政府新成長戦略より)
こんにちは。看護プロの小林です。
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成長戦略の骨子案に「混合診療」対象拡大
政府が6月下旬にとりまとめる新たな成長戦略の骨子案が2日、明らかになった。
公的な医療保険が利く医療と、保険が利かない医療を併用する「混合診療」の対象を大幅に広げる方針を明記した。専業主婦らがいる世帯での夫の所得税が軽くなる「配偶者控除」の見直しをにらみ、女性に関わる税制のあり方を幅広く検討することで、女性の社会進出を促す考えも打ち出した。
混合診療は現在、先進医療や差額ベッドなどの計17種類しか認められていない。受診のための審査期間に数か月以上かかるなどの問題も指摘されている。このため、骨子案では、混合診療の「大幅拡大」を提言。再生医療などの審査に特化した専門評価組織を年度内に設立する方針を掲げた。(読売新聞より)
当たり前の話にはなりますが、日本では、一連の診療行為において保険診療と自由診療を併用することは原則として認められていません。
求人の多い美容系クリニックは、完全な自由診療の一例です。
つまり、一連の診療行為の一部に、保険が適用されない保険外診療があると、保険が適用される診療も含め、すべての診療行為が自由診療とみなされ、医療費全額が自己負担となります。
だがっ!!
例外的に保険外診療を受ける場合でも、厚生労働大臣の定める評価療養と選定医療については、保険診療との併用が認められています。(=保険外併用療養費)というのが現状の国内の「混合診療」のルールです。
つまり、今回の「大幅拡大」という方向性とは
厚生労働省はこの「大幅拡大」については、以下の3つの方向性を検討をしています。
■プラン①:「保険外併用療養費制度」の対象を拡充する。
→先端医療を中心に、既に重粒子線治療や遺伝子診断などの一部認められたもの以外に再生医療・先端医療機器などの領域にも拡充
■プラン②:「未承認の薬」を混合診療で使える対象患者を拡大する。
→現状は、治験でのみ使用が許可されている「未承認の薬」を治験対象者以外(他に治療手段がない患者)にも混合診療での利用を許可する。
■その他:現状承認している「高額過ぎる新薬・医療技術」などを保険適用から外す。
→混合診療の拡大に向けて、改めて保険診療と自由診療の精査を行い、高額過ぎる新薬などを自由診療として、保険診療費の圧縮を図る。
下記のような賛否両論ありますが、基本的には拡充していく方向性と思われます。
日本医師会・・・
<反対>
・医療は社会の共通資本であるという考えから、所得によって選べる医療に格差ができることはNo
・保険診療の範囲を縮小させる恐れがあるからNo などなど
<賛成>
・保険診療と保険外診療をわざわざ別の日に実施しなければならず、治療の分断を招いている などなど
患者・・・
<反対>
・新薬や新技術をいったん先進医療に指定してしまえば混合診療で治療が受けられることからかえって新しい医療の保険適用が遅くなるのでは などなど
<賛成>
・「先進医療」扱いなら自己負担が軽減(例:未承認抗癌剤など)
・治療の選択の幅が広がることを歓迎する患者も多く、考え方はまちまちです。 などなど
政策・・・
<反対>
・公的保険制度の主旨に沿って本来は保険適用の範囲を拡大するべき などなど
<賛成>
・健康保険制度の財源が逼迫していることから混合診療の範囲拡大で保険財政の安定 などなど
株式会社ローザス 小林
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2014年05月30日カテゴリー:医療全般