緩和ケアへの正しい理解
こんにちは!
看護プロの宮城です。
最近は、昼間は日差しがさして暖かい事が多いですね。
早く春になって欲しいものです。
さて、本日はこんな記事をご紹介します。
こちらの記事は、現在進行がんを患っており、闘病しているAさんが
東邦大学医療センター大森病院緩和ケアセンター長宛にあてたメッセージを
紹介したものです。
メッセージには、
Aさんの体験した、進行がんでは緩和ケアにかかる事が出来ない実情への嘆きと
将来的には緩和ケアが、もっとがんの初期段階から受けることができ、
がんが、怖くない病気になっている事を切に願う気持ちがかかれていました。
この記事を読んで、私も「緩和ケア」に関して
まったくの勉強不足だったと痛感しました。
「緩和ケア=終末期医療」ではないのです。
記事にもありますが、平成24年に出されたがん対策推進基本計画に於いては
以下の4点が、重点的に取り組むべき課題として取り上げられています。
1.放射線療法、化学療法、手術療法の更なる充実とこれらを専門的に行う医療従事者の育成
2.がんと診断された時からの緩和ケアの推進
3.がん登録の推進
4.働く世代や小児へのがん対策の充実
そもそも、緩和ケアとはどのようの定義されているのか?調べてみました。
緩和ケアとは・・・「生命を脅かす疾患による問題に直面している患者と
その家族に対して、痛みやその他の身体的問題、 心理社会的問題
スピリチュアルな問題を早期に発見し、
的確なアセスメントと対処(治療・処置)を行うことによって、
苦しみを予防し、和らげることで
クオリティ・オブ・ライフを改善するアプローチである。」
(※日本ホスピス緩和ケア協会HPより抜粋)
この定義を読んでみても
先に記載した、がん対策推進基本計画を読んでみても
緩和ケアは、がんの進行段階に関わらず
受けることが出来るべきである、はずなのですが
実情としては、Aさんの様に
「まだ緩和ケアを受ける段階でない」とされて、断られてしまう事がほとんどなのです。
緩和ケア病棟の届け出は、年々増加しているとは言え
全国的に見ても、病床数は6,421床だそうです。
施設基準を取ることも難しい上に、医療従事者不足も重なり
限られた数しか、緩和ケア病棟や施設を設立する事が出来ない事で
「緩和ケア=終末期医療」になってしまっている実情があるのだなあ、と
この記事を読んで、しみじみと実感しました。
そういえば、オープンしたくても
緩和ケア病棟の看護師不足で、なかなかできない病院さんもありました。
理想を言ってしまえば、この記事の最後にもあるように
「絵に描いた餅ではない、早期からの緩和ケア」が実現される事が一番良いのでしょうが
まずは、問題に対しての正しい理解を、多くの人がしていく事が大事なのかもしれない
と、思いました。
それでは今日はこのへんで・・・
また次回の記事でお会いしましょう!
2015年01月28日カテゴリー:医療全般