社会階層は、健康格差につながる!?
おはようございます。
看護プロの柴崎です。
今朝は、朝8時から朝食会。
といっても、そんなに優雅なものではなく、日本医療政策機構が主催する勉強会。
日本医療政策機構は、以前内閣特別顧問を務めた黒川清氏が理事長を務める
民間シンクタンクです。
数カ月に一度、
有識者を招いて、朝食を食べながら、お話を伺う。
今日のテーマは、「Social Determinants of Health」。
聞きなれない方も多いと思いますが
直訳すれば、「健康の社会的決定要因」。
要は、健康は個人の問題(遺伝、ライフスタイル)といったものではなく
その人の属する社会階層に大きな影響を受ける、というもの。
通常の医療的な政策が、「対症療法」的なものであるとすれば
こちらは、その「根本」にスポットライトを当てたもの。
なかなかオモシロイ。
イギリスでは、階層別に10年間追跡調査をしたデータがあるらしいのだが
平均寿命・健康状態に綺麗は、階層ごとに綺麗に異なるらしい。
感覚的にはわかりますよね。
教育レベルが高く、金銭的にも余裕がある人は、当然健康に気を使う余裕がある。
かつ、現代社会でこの階層にいる人は、ホワイトカラーの可能性が高い(スポーツ選手等は除きますが。。)。
なので、肉体的な負荷が低く、長生きする可能性が高まる。
そんな感覚を、データから現実のものとして実証し
政策の意思決定の土台を作るのが、この学問。
ただ、個人的な感覚としては
単純な医療よりもカバーする範囲が広いが故に
もはや医療問題というよりも、政治的問題とならざるを得ない点が課題かと。
概念としては、非常にオモシロイので
これがどのように、現実社会に影響を与えていくのかウォッチしていきたいと思います。
2010年10月29日カテゴリー:医療全般