看護師・介護福祉士・保育士の養成課程が一部共通化!?
厚生労働省は、看護師・介護福祉士・保育士の養成課程を一部共通化することを目指しています。
それぞれ資格をお持ちの方には、身に覚えがあるかと思いますが、
要は資格をとるために勉強したカリキュラム・授業が一部共通のものになる、というお話です。
「最初は介護福祉士になろうと思ったけど、勉強していくうちに看護師になりたくなった」
「看護師と保育士、どちらの仕事も興味がある」
といった方も少なくないと思います。そういった方には選択肢が広がりますので、嬉しい制度ですね。
厚生労働省としては、人手不足が叫ばれている各職種への選択肢の拡大、人材の確保を考えており、
2021年頃の移行に向けています。
様々な資格を取得しやすくするために、基礎課程→専門課程の流れを汲んでいるものは他にもありますね。
例えば、教職もこれに含まれます。
私も学生時代に教職を目指していたので、「看護師資格取得に関して基礎課程が共通する」ということで身に覚えがあったので、記事にさせていただきました。
教職の場合、中学・高校それぞれの教員を目指していても、共通の「基礎課程」を学び、専門過程に進んだ後に歴史系・政治経済系の専門教科に分かれる、といった形で履修していきます。
今後予定されている看護師・介護福祉士・保育士の養成課程と同じですね。
お気づきの方も多いかもしれませんが、このような養成課程にもデメリットはあります。
①興味のない分野も勉強しなくてはならない。
②複数の資格を取得することを前提とされる・・・可能性もある。
このようなデメリットも生まれてしまいます。
①興味のない分野も勉強しなくてはならない。
「ずっと夢だった看護師になるために、勉強がんばろう!」と意気込んでいた人も基礎課程を勉強している1年目は、介護福祉士・保育士の内容も含めたカリキュラムに取り組まなければなりません。
多くの人は、勉強のモチベーションを維持するのに苦労するのではないでしょうか。
また、各資格の取得難易度が違うと、勉強している人同士でも、やる気が違ってきます。
違う職種を目指している人との交流も勉強になりますが、やる気を無くしてしまうことだってありますよね。
教職の場合ですが、高校>中学、と採用倍率に差がありました。同じ基礎課程を勉強するといっても、目指すものの難易度が違えば、当然やる気にも差が出ます。
やる気のあまりない人達と一緒に勉強をする、というのは自分にとってプラスなことはないですよね。
基礎課程を共通にすることで、そういったデメリットも少なからず出てくるでしょう。
②複数の資格を取得することを前提とされる・・・可能性もある。
看護師と介護福祉士または看護師と保育士の資格を持っている人のみ募集、といった求人も生まれるでしょう。
事実、教職の世界では、高校の教師になるには中学の教員免許がなければならない・社会科の教師になるには地歴と公民の教員免許がなければならない、とされていました。(自治体によって違いはあります)
(例)高校・日本史の教師になるために必要な教員免許
高校・地理歴史の教員免許
高校・公民の教員免許
中学・社会科の教員免許
これらは、それぞれ基礎課程が共通しており、最終的に専門課程に分かれ、資格取得試験にたどり着きます。
資格取得自体は、一つの専門課程をクリアすることで取得できます。
しかし、採用されるタイミングでは「基礎課程を終えた後も、多くの専門課程を修了している人」が求められます。
つまり、現実的には勉強する必要がある量が増えただけなんですね。
ちなみに、教職の話については、「採用されるのに複数の資格が必須」ではなく、「複数の資格がないと採用される可能性が下がる」と言われていた程度で、制度上は一つの教員免許があれば、問題ありません。あくまでも暗黙の了解的な話です。
看護師・介護福祉士・保育士の試験は、教職よりも専門性が高いので、複数の試験に合格していなければならない、なんてことはないでしょうが、少し心配ですね。
既に看護師免許を持っている方には、あまり関係の無いような話かもしれませんが、
近い将来、介護福祉士の資格を持っている人限定、なんていう求人も普通になってしまうかもしれません。
まだ先のこともかもしれませんが、「基礎課程が共通になるんだ」ぐらいには気にかけてみてもいいかもしれませんよ。