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准看護師の今後

看護職は、正看護師と准看護師に分けられます。

医療従事者の方は知っていて当然ですが、看護師に種類がある事はあまり知られていません。

そもそも正看護師と准看護師では何が違うのか。

正看護師は国家資格です。看護学校を卒業し、国家試験に合格し、看護師資格を厚生労働大臣に発行してもらいます。

一方で准看護師資格は、各都道府県により発行されます。

また、准看護師は「看護師の指示に従い」業務を行います。つまり、厳密に言えば准看護師は、正看護師の補助的役割を担う立場なわけです。

そもそも、なぜ看護職に正看護師と准看護師の違いがあるのか。

准看護師は管理職等にはなれない、などの違いはあれど、現場では正看護師と同じ仕事をしているのです。

これは、准看護師資格が産まれた背景が関係してきます。

簡単に言うと、戦後まもなくして、看護師の数が足りないことが懸念され、正看護師より簡単に取得出来る、准看護師の資格制度を作り、手っ取り早く看護師の数を増やそうとしたわけです。

しかし、現在「准看護師制度を廃止するか継続するか」の議論が行われています。

今回は、日本医師会が発足した、日本准看護師連絡協議会の記事をご紹介します。

医療ニュース:准看護師、その存在意義は?

 

日本准看護師連絡協議会、というものをご存知でしょうか。

准看護師の社会的地位の向上と、准看護師の更なる能力向上のための体制づくりを目的として、平成27年11月に設立された団体です。

現在、就労する看護師及び、准看護師は全国で約142万人とされており、そのうち准看護師は約34万人を占めています。

しかし、現在の医療業界における准看護師の立場は、年々弱くなってきているのが現状です。

それに伴い、准看護師の資格を取る為の学校や養成所も年々減少傾向にあり、結果、准看護師資格試験の受験者や合格者も減ってきています。

一方で、厚生労働省は、2025年には約200万人の看護職が必要になる、というデータを出しています。

今後、仮に毎年3万人ずつ看護職が増加したとしても、2025年には約7万人の看護職が不足する、という見通しも立っているそうです。

このような、将来訪れるであろう看護職不足を補えるのは、准看護師の社会的立場の向上や、新たな准看護師の養成准看護師から看護師を目指すためのサポート体制を強化する事である、というのが、日本准看護師連絡協議会の主張です。

准看護師の養成課程は、看護職のそれに比べて履修時間も短いため、きたる看護師不足の時代に向けて新たな准看護職を増やし、事態を回避するというのは、比較的取り組みやすい内容かと思います。

しかし、准看護師の社会的立場は現在非常に危ういものになっていることも事実です。

日本看護協会は、組織の見解を「准看護師の新規養成は停止し、看護師に一本化すべき」としています。

准看護師は、それぞれの団体や組合・協会により、その立場や必要性が異なるのです。

また、看護職を採用する病院においても、診療報酬の観点から、准看護職の採用に積極的でないところが増えてきています。

このような状況の中で、今後准看護師という資格がどのようになっていくのでしょうか。

また、将来的に看護職が不足する、と国は主張していますが、看護職が余る時代がくる、と主張している団体もあります。

単純に考えて、今の団塊の世代が後期高齢者になった時には、看護職は不足するでしょうが、そのさらに先は、看護職は余る状況になると思います。

しかし、今からそんな先の事まで考えて、看護職をはじめとする医療従事者や病院・施設の数を統制する事は無理な話です。

大事なことは、今までの制度や状況にとらわれずに、その時代時代に合わせて、柔軟に変えていく事だと思います。

 

 

2016年08月08日カテゴリー:医療全般, 未分類, 看護師