2018年度の診療報酬改定に向けて
今回は、診療報酬・介護報酬の改定についてお話したいと思います。
なぜ、改定するかというと、医療の進歩や世の中の経済状況とかけ離れないように、一定の期間を定めて
改定しています。
「診療報酬」は2年に1回の改定、介護向けの「介護報酬」は3年に1回の改定で、「同時改定」が6年に1回あります。
直近では、2016年に診療報酬を改定し、2015年に介護報酬を改定しました。
2018年には、6年に1回の同時改定になります。
改定までの流れは下記の通りです。
(1) 厚生労働省 社会保険審議会
基本的な医療政策や診療報酬改定に係る「基本方針」の策定等について審議。
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(2) 内閣
財務省の国の財源確保の視点も含めた意見がまとめられ、12月下旬には予算編成過程を通じた「改定率」が決定。
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(3)厚生労働省 中央社会保険医療協議会
社会保障審議会で決定された「基本方針」に基づいて審議が行われ、個別の診療報酬項目に関する点数設定が算定用件・施設基準等についての議論が行われます。
先日、(3)にあたる中央社会医療協議会の総会が行われました。
2016年で5項目、2017年で4項目に分けて、調査をしており、
その結果や影響を踏まえ、2018年度の改定に、活かしているのです。
その5項目の調査内容は下記の通りです。
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(1)夜間の看護要員配置における要件などの見直しの影響、および医療従事者の負担軽減にも資するチーム医療の実施状況
(2)かかりつけ医・かかりつけ歯科医に関する評価などの影響、および紹介状なしの大病院受診時の定額負担の導入の実施状況
(3)重症度や居住形態に応じた評価の影響などを含む在宅医療・訪問看護の実施状況
(4)精神疾患患者の地域移行・地域生活支援の推進や適切な向精神薬の使用の推進などを含む精神医療の実施状況
(5)後発医薬品の使用促進策の影響、および実施状況
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この5項目については、今回の総会で具体的な調査票案が提示され、おおむね了承されています。
この結果を踏まえ、今後更なる調査を行っていきます。
看護師さんは、お分かりになっている方も多いと思いますが、(1)に関しては、
・病棟に配置されている看護職員・看護補助者それぞれの人数や夜勤専従者の人数
・夜勤の状況の変化(回数、勤務時間、受け持ち患者数など)
・病棟における夜勤時間数別の看護職員の人数
・医師負担軽減に向けた取り組み
・看護職員の個別業務とその負担感
などを今後、詳しく調べることにしています。
(2)~(5)まで同様に、直近の結果を踏まえて、掘り下げて調査をしていきます。
(5)の後発医薬品に関しては、毎年調査をしているので、
さらに使用促進に向けた課題と解決策などを調べるなど、後発品促進に向けた方策を探っていくようです。
この調査は10月~12月に実施され、年明けの1月から3月にかけて順次、
報告されていきます。
このように定期的に調査をすることで、医療の進歩や現在の経済状況とマッチさせ、改定につなげていきます。
また、診療報酬は私たちの生活に大きく影響がありますので、
2018年の改定時にはどうなるか、目が離せません。
2016年10月18日カテゴリー:医療全般