後発医薬品の普及活動
厚生労働省の積極的なPRが奏功してか、
市民権を得た感の強い後発医薬品(ジェネリック薬品)ですが、
先日こんなニュースがありました。
↓↓
ニュース
健康保険組合でも、後発医薬品を積極的に使ってもらおうと、
一歩踏み込んだ取り組みを始めているというニュースです。
こうした取り組みは、厚生労働省が平成19年に策定した
「後発医薬品の安心使用促進プログラム」から
派生した取り組みと言えるでしょう。
ただ、この「後発医薬品の安心使用促進プログラム」は、
裏を返せば、それだけ後発医薬品の普及には課題も多いということです。
このプログラムを読むだけでも
医療現場の本音が透けて見えるようですが、
後発医薬品に対する現場の不安としては、少し調べただけでも、
-品質(従来品と同じモノと言えるのか、生産過程に問題はないか)
-流通(必要な数をそろえられるのか、欠品は起こらないか)
-信頼性(臨床データが少ない、問題が起きた時の責任の所在はどうか)
など、色々あがってきているようです。。。
実際、後発医薬品の先進国である英国や米国では、その普及率は
50%を超えているそうですが、一方の日本では平成18年の集計で16.9%と
まだまだ普及しているとは言えないのが現状のようです。
これには、今改革が行われている最中ですが、海外に比べ、
日本の医療現場では経済合理性が働きにくいという
構造的な問題もあるのではないでしょうか。
医療現場からすれば、当然、これまで使ったことのない
医薬品を使うことのリスクを避けたいということがあるわけですが、
海外では保険会社のような第三者が医療コストを厳しく
監督していることが多く、その違いが表れている数字のようにも思えます。
このプログラムにあるような厚生労働省の目標値
(平成24年までに後発医薬品の普及率を30%以上)達成には、
地道なPRと取り組みと並行して、もう一歩、
大がかりな構造の改革も必要なように思います。
株式会社ローザス 笠木
2009年07月17日カテゴリー:医療全般